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ギルドを解散することに決めた記録

1/14 勧誘の話

私はギルマスをする前から、ずっと広報をしていた。

色々なこだわりをもってやっていたつもりだが、最初から一貫していたのは「スカウトを求めている時以外には声をかけない」ことであった。

 

というのも、ゲームの世界にも人間関係など揉め事は当然あり、その愚痴を書くような投稿ももちろんある。

それに対して

「そんなのひどいですね(T . T)よければうちにきて一緒に遊びませんか?」

と書く…というのが、私は嫌だった。

なんとなく、弱っているところにつけ込むような気がするのだ。もちろんそれが一種の戦法であることも理解しているが、理解した上で、嫌だった。

 

実際、自分自身がそういう環境に置かれて、始めてそういう声かけをされた。

実はもう次の行き先は決めたのだが、表向きでは解散を発表したときの「そのうちまた声掛けさせてください」で情報が止まっている。別に表向きに「次決まりました!!」なんて言うのも野暮かな…というか、解散するまでは私はギルマスだから、他のギルドどうこうという話題を出したくなかった。

これもまた、しょーもないプライドである。

 

という中で、求めてない声掛けをされたとき、やはりモヤっとした。相手の気持ちを考えてない気がした。

そうなるだろうな、と思ってやらなかったことが、本当にそうなるんだな…と実感として経験できたのは、貴重なことである。

これまでやらなかったことは、自分にとって正解だったのだ。それが確信できただけでも、また一つ学びになった。

 

1/14 ここにきて、の話

1月も中旬になった。

ここにきて、急に新しいイベントが入り、これまでのイベントサイクルが変わった。解散を予定していたタイミングで何が入るか、何時に始まるか分からない状態になってしまった。

なーんてこったい、という感じである。笑

 

新しいイベントも、軒並み酷評が並ぶ状態。

果たして改善されるのか…

何にしても、長期イベントが新たに参入、人集めできる期間が減ったことで、私のメンタル的な余裕もこれまでより削られていただろうから、

このタイミングで解散を決めていたのは、ある意味、とても良かったことだったのだろうと思う。

 

元々は何もイベントのない土日に解散する予定だった。

ありがたいことに最終日に顔を出したいと言ってくれたメンバーもいる。

ただ、スケジュールが変わって次のイベントのエントリー期間に被ってしまえば、それも叶わないどころか、今いるメンバーが次のギルドでイベントに参加できなくなる可能性もある。それは避けたいのだ。

早くスケジュールが欲しいが、基本的に数日前にお知らせが出るだけ。

結局最後までヤキモキすることになるが、仕方ない。できるだけ、きちんと終わらせることに向き合うだけである。

1/5

年が明けた。

1/1、ギルド解散を選んでいなければ、イベント最終日、進捗に不安のあるメンバーに連絡をしたりして自分は終わっているのに不安が消えず、

正月早々疲れ果てていただろうと思う。

そう思えば、申し訳ないと思いながらも、健全な年末年始を過ごすことができた。

 

ちらほらと年末年始のタイミングで移籍をするメンバーもいた。移籍したものの「やはり○○○(うちのギルド)と比べてしまう…」なんて言われたり。

ありがたいと思うと同時に、やはり今の環境を維持できないとわかった段階での解散は正解だったなと思う。

 

私自身はギルドを転々としたりできなかったので、遊びながらできた友達というのが少ない。ギルメンくらいである。

視野が狭くならないようにとTwitterを始めて友人ができたが、やはり価値観が合うのは「運営側にいる/いた人間」だった。

それぞれ抱えるものは違うけれど、悩んだり考えたりしているということは、きちんと向き合っているということなのだ。

どのギルドもそう、というわけではないが…どうか、在籍してくれたメンバーがこれからも楽しめる新天地に出会えますようにと願うばかり。

12/29 熱がありそうなときに熱を測ってはいけないアレ

数日前、仕事納めだった。

私はものすごく小規模な会社で働いており、毎年、社長と個人面談をする。

今年は自分にとって、結構変化の多い1年だった。

 

主力で動いていた先輩が今年の年明けから産休育休に入り、私が全体を回す立ち位置になった。

そして社長の出張が増え、私がしっかりしないと流れが止まるという危機感を常に抱きながら仕事をしていた。

もちろんそこまで抱え込む必要はないのだろうが、特別要領が良いわけでも経験豊富なわけでもなく「サポートが得意なだけの人間」の私には、十分すぎるほどの重荷だった。

 

これまでの主力選手ありきの環境から、「いつ誰が急に休んでもとりあえず回る、状況が把握できる環境」にシフトチェンジさせていった。

というのも、私自身が全体像がおおよそ見えていないと動けないタイプの人間だったから、ということと、働く人間が私を含め、子供のことや親のことで急に休まざるを得ない世代ばかりだったから。

これをやりながら、自分の仕事もして、そして確認を求める声が出るたびに手を止める。

自分が自覚する以上に、ストレスの多い1年だった。

 

結果的に環境は整い、また来年前半ももう少しそこに力を入れて、より全体的に足並みを揃えて共有を大切にできるようにしていこう、と実を結べたのでとても良かった。

ただ、仕事納めをした後に、ふと無意識に張り詰めていたものが途切れてしまい、急に無気力になった。

タイトルの、熱がありそうな時に熱を測ってしまい、体温を自覚したら急にしんどくなる…というアレ。謎の疲れがドッと押し寄せて来て、メンタル的にも少々やばかったように思う。

 

よくこの状況を自覚せずに、仕事をし、育児をし、家事はまぁアレにしてもゲームも本気でやり…そりゃまぁ疲れや限界も来るわな…と、何だか妙に納得してしまった。

その中でまた息子の件でアレコレと動くのに、追い込み消耗したのだが、1日半くらいダラダラしてやっと回復の兆しが見えてきた。

 

ギルド解散と衝動的に決めた部分もあった気がするが、これで良かったのだと思えた。

一時的に忙しくなるわけではなく、これから長期的に環境の変化が大きくなる中で、崩れる前に見極めができたのは、我ながら最良の選択だった。

 

12/29 気付き

3週に一度、定期的に行われるイベントがある。

ギルド解散を発表してからは初めてだ。

もとより年末年始とダダ被りだったこともあり、100人満員にすることへのハードルが高かったが、解散するにあたりノルマ等を全て無しにした。

解散を決めた場所で有終の美のために頑張るより、それぞれ待っている次の場所のために温存して欲しい、

そして忙しいであろう年末年始、リアルを優先して欲しい、

私自身は、みんなが言ってくれた「無理せず」に甘えさせてもらい、人を集めることをやめた。100人満員にならない以上、ノルマを設定して今いるメンバーに負担を増やしてまで頑張らせるわけにはいかない。

 

 

そして、気付いたことがある。

このイベント、1週間続くのだが、終わったかと思えばまた来る、くらいのペースでやってくる。

終わってからまた始まるまでの2週間、ひたすら人を集めるために動き続けていた。

内部にも働きかけ、なんとか100人満員にできてイベント開始しても、みんなの進捗を確認しながら自分もイベントを進め、追い込みの応援やノルマ未達があれば対応…と、文字にすればまぁまぁおかしな動き方をしている。笑

そして、終わったらまた人集めに戻るのだ。

 

それがほぼ無くなって、イベント前の案内を出すだけになったとき、

あれ、意外とイベント楽しいかもしれない、

と思った。

もう私はこのイベントが嫌いになったのだと思っていた。義務感しかなく、ある程度育成が進んだ人にとっては、そんなにメリットは大きく無い。

それでもギルマスだからと、少しでも高ポイントを狙ったりして…それも今回無い。純粋にイベントだけをやっている。

そして、楽しめた。もう3アカウント、全て終わった。驚いている。

 

 

まだ楽しめたんだ、と気付いた。

嬉しかったし、安心した。

12/25 次の行き先

ギルドを解散するとはいえ、私自身は引退するわけではない。次の行き先を決める必要があった。

 

最優先は、まずはリアル重視で遊べること。

といっても不思議なもので、これまで運営として裏方で動いていた時間が無くなれば、全然普通に遊べるくらいの時間はあるのだ。驚いた。

普通に遊んでんじゃねーか、と思われそうなくらいには遊べそうである。

 

優先の次点として、詮索されないこと。

そして、自分のやりたいことに取り組めること。

 

ということで、話を聞いてくれていた友人が所属しているギルドに、お世話になることを決めた。

ひとつ悩みが消えるだけで、また楽になる。

 

改めて思い返すと、ギルドを盛り上げるために戦闘系のイベントは特に積極的に参加して、いこういこう!とやっていたが、

同じ並びにいる積極的なメンバーは、それなりに分かっているのだ。戦闘のレポートを見て、あーだこーだと話せるのだ。

 

私はと言えば、そもそもがよく分かってないのに頭のキャパも少なく、全くその話についていけてないのに、楽しいだけでずっと先陣を切っていた。

もちろんそれがあったから、ギルドは盛り上がった。

でも内心は、同じくらいの理解度の仲間と、同じ目線で分からないことを解決していきたかった。

盛り上がれば盛り上がるほど、積極的な層とそこそこの層との差は開いていたのだと思う。仕方なかった。そういうものだから。

そこそこの層に対するアプローチを新たに考える余裕はもう無かった。ここから私にできることは無かったのだろうと思う。

 

次は、私の頭のポンコツ具合を理解してくれていて、そして超絶基本的な部分から一緒にやってくれる場所へいく。

もう、自分のスキルから目を逸らさなくてもいいと思うと、安心する。

友人も何人かいて、チャットにもおそらく馴染めると思いたい。

 

新しい場所で刺激を求めるのもいいよと言われたが、自責の念で疲れている。新しい場所に飛び込む気力がなかった。ここから解散の日に向けて、まだまだ削られていくと思う。

だから、次は少しのんびりしつつ、自分とまた向き合える場所へ。受け入れてくれる友人がいることに感謝を忘れずに、もう一息、最後までここで頑張ろうと思う。

12/23 あとふたつの理由、ふたつめ

もうひとつの理由は、もっと自分のプレイに向き合いたいと思ってしまったことだった。

 

運営、ギルマスをやっている限り、自分のことよりも優先すべきことはたくさんある。

ルーティンイベントのお知らせ、ゲリラ的に始まるイベントの詳細をまとめたり、当然メンバー募集もやる。

画像を作り替えたり、募集の文面を変えてみたり。いつも同じものをコピペしていると思われたくなかった。常に最新の状態にアップデートしていたかった。

時折おこるトラブルの対応、何かメールがきていればそれの対応。裏で運営陣だけで話す事があればそちらも。

 

そうこうしていると、自分のために遊ぶ時間なんてほとんどない…というか、時間はあっても、自分のことに割ける頭の余裕が残っていなかった。

 

そんな中で、周りはどんどん強くなったり知識を得たりする。

同じ列に並んでいるようで、見た目の装備やブーストは似たり寄ったりでも、理解度が全く違う。

 

私も、ちゃんと理解して遊びたい、と思ってしまった。

もっと今持っているモノを活かしながら遊びたい。もっと自分のために遊びたい。

 

 

そう思ってはいた。

これだけで理由になった、と言うわけではないが、確実に背中を押してしまった。